つい最近まで定期契約(主に2年契約)を契約から2年後に迎える更新月以外に解約や休止、他社へ乗り換えなどを行うと9,500円と高額な違約金が発生していました。
この高額な違約金が設定されている為、契約を縛られ他社へ気軽に乗り換えができなかったり、店頭で違約金について十分な説明がなされておらず、解約時にトラブルになるといったことが多々ありました。
2019年10月から総務省の規制により定期契約の違約金は上限1,000円となりました。また更新月についても満了月の当月、翌月、翌々月の3カ月間と過去に1ヶ月のみだった時期に比べると長く設定されています。
この規制が適用されるのは大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク、ワイモバイル、楽天モバイル(予定))以外にUQ mobile、IIJmioを提供しているインターネットイニシアティブ、mineoを提供しているオプテージなど多数の契約者を抱える格安SIM事業者についても対象となります。
またOCNモバイルONEについてはNTT傘下、BIGLOBEモバイルはKDDI傘下、LINEモバイルはソフトバンク傘下ですので、こちらも規制の対象となります。
逆に言うと上記に挙げたような大手事業者以外は規制の対象外となり、高額な違約金を設定しようと思えば可能です。規約をよく読まずに安さにつられて無名の業者を契約するのは危険かもしれません。
ここでは大手キャリアと大手格安SIM事業者の音声契約の違約金についての既存ユーザーと新規ユーザーの対応についておさらいしていこうと思います。
- ドコモの違約金
- auの違約金
- ソフトバンクの違約金
- Y!mobileの違約金
- UQ mobileの違約金
- 楽天モバイルの違約金
- IIJmioの違約金
- mineoの違約金
- OCNモバイルONEの違約金
- BIGLOBEモバイルの違約金
- LINEモバイルの違約金
- nuroモバイルの違約金
ドコモの違約金
2019年9月以前に契約したユーザー…違約金1,000円の新料金プラン(ギガホ2、ギガライト2)に変更は可能ですが、変更をしても次回更新月を迎えるまでは既存の違約金が適用されます。
2019年10月以降に契約するユーザー…定期契約の違約金は1,000円になります。dカード(年会費無料)をお持ちであれば支払い設定をすることで、定期契約なしのプランだと「dカードお支払割」が適用され、定期契約ありのプランとの差額170円が値引きされます。つまり違約金なしで定期契約ありのプランと同額で維持が可能ということです。
複数回線お持ちの場合、一括請求代表がdカードを支払い設定していれば、一括請求グループの子回線にも同様の値引きが適用されます。
auの違約金
2019年9月以前に契約したユーザー…「新ピタット/フラットプランN」、タブレットの場合は「タブレットデータシェアプラン」にプラン変更することで違約金は1,000円になります。プラン変更は翌月から適用されるので注意。(機種変更を伴うプラン変更の場合は当日から変更できる場合があります)プラン変更は店頭や157以外にもmy auからも変更できます。
2019年10月以降に契約するユーザー…違約金一律1,000円。定期契約なしのプランは料金が170円上がります。
ソフトバンクの違約金
2019年9月以前に契約したユーザー…ソフトバンクは2019年9月13日に定期契約を撤廃した新プランに移行しました。従って音声契約の新料金プランについては違約金は存在しません。既存のミニモンスター/ウルトラギガモンスターを契約中の方は店頭や157、my SoftBankから変更手続きを行ってください。翌月反映となります。機種変更を伴う場合は自動的に新プランに変更されます。
2019年10月以降に契約するユーザー…違約金のない新料金プランにて契約ができます。
Y!mobileの違約金
2019年9月以前に契約したユーザー…ワイモバイルの新料金プランも2019年10月から定期契約を撤廃し、違約金はなくなりました。ですが原則としては既存ユーザーが新料金プランに変更をすると違約金が発生します。違約金が免除されるためには条件があります。 以下のいずれかの条件を満たすことで新料金プランへの変更による違約金は免除されます。
- ワイモバイルを継続して2年以上ご契約していること
- 機種購入を伴う機種変更と同時に新料金プランに変更すること
2019年10月1日以降、下記のいずれかの条件を満たしているお客さまについては、契約解除料を免除します。
“ワイモバイル”を継続して2年以上ご利用いただいている状態で、「スマホベーシックプラン」あるいは「ケータイベーシックプランSS」へ変更申込をすること。
機種変更と同時に「スマホベーシックプラン」あるいは「ケータイベーシックプランSS」へ変更申込をすること。
契約解除料一覧|新規契約・機種変更・解約・MNP・番号移行|サポート|Y!mobile - 格安SIM・スマホはワイモバイルで
2019年10月以降に契約するユーザー…違約金のない新料金プラン、スマホベーシックプランにて契約ができます。通話をよくする方におすすめです。
UQ mobileの違約金
2019年9月以前に契約したユーザー…「おしゃべりプランS/M/L」や「ぴったりプランS/M/L」などで契約された方は既存の2年契約が適用され、更新月以外での解約は違約金9,500円が発生します。更新月を迎えることで違約金のない、新料金プラン「スマホプラン」に変更ができます。
UQ mobileにて、「継続利用割引」を受けている場合、適用月から再度2年縛りが発生すると説明を受けた人もいるかもしれませんが、更新月には変更はありません。「継続利用割引」適用中の解約が違約金発生となります。更新月を迎えれば「スマホプラン」に変更ができると思います。「スマホプラン」には「継続利用割引」は適用できない為、廃止となるので、プラン変更後は違約金は発生しないはずです。
契約期間が13ヶ月以上あるユーザーの場合、UQのサポートセンター、0120-929-818に電話で相談することで、電話での機種変更を条件に更新月を待たずに違約金のない新料金プラン、「スマホプラン」に変更できる場合があります。更にキャッシュバックが1万円〜1万5千円貰えることもあります。こちらについては各ユーザーごとの契約状況や利用状況、時期によって対応が異なる為、契約者全員が対象ではありません。
2019年10月以降に契約するユーザー…2019年10月から定期契約を撤廃し、違約金はなくなりました。違約金のない新料金プラン、「スマホプラン」にて契約ができます。「スマホプラン」は複雑な条件もなく家族割適用で1,480円〜。旧プランと比べてとてもわかりやすいプランになっています。
楽天モバイルの違約金
2019年9月以前に契約したユーザー…読者の皆さんの中にはスーパーホーダイ(3年契約)を契約している人も多いと思いますが、2019年9月以前に契約した楽天モバイルには最低利用期間があります。開通月を1ヶ月目とし、例えば3年契約の場合は36ヶ月目までの解約は違約金が9,500円が発生します。それ以降は違約金はありません。
旧楽天モバイルユーザーは楽天モバイル(MNO)に移行することで違約金免除になります。
2019年10月以降に契約するユーザー…2019年10月から定期契約を撤廃し、違約金はなくなりました。違約金のない新料金プランにて契約ができます。
楽天モバイル(MNO)…最低利用期間や契約解除料はありません。
IIJmioの違約金
2019年9月以前に契約したユーザー…IIJmioでは音声通話機能解除調定金という1年間の最低利用期間が設定されており、利用開始から1ヶ月ごとに違約金が減額していくという仕組みになっています。13ヶ月以降は違約金は発生しません。また何らかの方法によってこの違約金を免除することはできません。
2019年10月以降に契約するユーザー…音声通話機能解除調定金は一律1,000円となり、13ヶ月以降は違約金は発生せず更新月も存在しません。
mineoの違約金
2019年9月以前に契約したユーザー…mineoは2015年に最低利用期間を撤廃しているので解約に伴う違約金はありません。ですがMNPによる転出に対して違約金が設定されており、利用開始の翌月から12カ月以内に転出する場合は違約金9,500円が発生します。何らかの方法によってこの違約金を免除することはできません。
2019年10月以降に契約するユーザー…解約、MNPによる転出に対する違約金はありません。
OCNモバイルONEの違約金
2019年9月以前に契約したユーザー…利用開始月を1ヶ月目として6ヶ月目までが最低利用期間として設定されています。最低利用期間内での解約は違約金8,000円が発生します。先日、月額料金が安くなった新料金プランが発表されました。新料金プランに変更は可能ですが、最低利用期間及び違約金に変更はありません。
2019年10月以降に契約するユーザー…本人確認書類の確認が完了した日を含む月(店頭での即時開通なら申し込み当月、オンラインだと月末以外は申し込み当月?)を1ヶ月目として6ヶ月目までが最低利用期間として設定されています。最低利用期間内での解約は違約金1,000円が発生します。
BIGLOBEモバイルの違約金
2019年9月以前に契約したユーザー…サービス開始日~サービス開始日の翌月から12カ月間が最低利用期間として設定されています。最低利用期間内での解約は違約金8,000円が発生します。
またMNP転出手数料は3,000円ですが、契約開始月(1カ月目)~3カ月目の転出の場合は6,000円と2倍になります。
10月以降に契約するユーザー…サービス開始日~サービス開始日の翌月から12カ月間が最低利用期間として設定されています。最低利用期間内での解約は違約金1,000円が発生します。
またMNP転出手数料は契約開始月(1カ月目)~3カ月目の転出を問わず、一律3,000円です。
LINEモバイルの違約金
2019年4月30日以前に契約したユーザー…利用開始日から起算し、利用開始日の翌月を1ヶ月目として12ヶ月目の末日までが最低利用期間として設定されています。最低利用期間内での解約は違約金9,800円が発生します。
2019年5月1日~2019年9月30日に契約したユーザー…利用開始日から起算し、利用開始日を含む月を1ヶ月目として12ヶ月目の末日までが最低利用期間として設定されています。最低利用期間内での解約は違約金9,800円が発生します。
2019/10/1以降に契約するユーザー…最低利用期間:利用開始日から起算し、利用開始日から起算し、利用開始日を含む月を1ヶ月目として12ヶ月目の末日までが最低利用期間として設定されています。最低利用期間内での解約は違約金1,000円が発生します。
nuroモバイルの違約金
nuroモバイルではIIJmioと同じく1ヶ月ごとに違約金が減額していく仕組みをとっています。この違約金はお試しSIMを除く音声SIMにのみ適用され、データ通信専用SIM、SMS付データSIMには適用されません。
契約月に解約 12,000円(残り12ヶ月 x 1,000円)
1ヶ月目に解約 11,000円(残り11ヶ月 x 1,000円)
2ヶ月目に解約 10,000円(残り10ヶ月 x 1,000円)
3ヶ月目に解約 9,000円(残り9ヶ月 x 1,000円)
4ヶ月目に解約 8,000円(残り8ヶ月 x 1,000円)
5ヶ月目に解約 7,000円(残り7ヶ月 x 1,000円)
6ヶ月目に解約 6,000円(残り6ヶ月 x 1,000円)
7ヶ月目に解約 5,000円(残り5ヶ月 x 1,000円)
8ヶ月目に解約 4,000円(残り4ヶ月 x 1,000円)
9ヶ月目に解約 3,000円(残り3ヶ月 x 1,000円)
10ヶ月目に解約 2,000円(残り2ヶ月 x 1,000円)
11ヶ月目に解約 1,000円(残り1ヶ月 x 1,000円)
12ヶ月目に解約 0円
なお、nuroモバイル(ソニーネットワークコミュニケーションズ)では2019/10/1以降に契約するユーザーも上記の違約金が適用されます。これは総務省による規制対象の事業者ではないからです。
違約金一律1,000円となった大手事業者と比較して、不利な契約のように感じるかもしれませんが規制対象外であることはデメリットだけではなく、値引規制の対象外でもありますので、通信契約とセットでも2万円を超えた値引が可能となっています。
以上、各キャリアと大手格安SIMの違約金についてまとめてみました。注意して頂きたいのが総務省の規制によって違約金の上限が1,000円になったのは最初に述べた通り大手事業者のみです。他の事業者では高額な違約金が設定されている可能性がありますので十分ご注意ください。
また、SoftBank Air、WiMAXなど音声契約以外については以前と変わらない違約金が設定されている場合があるので違約金が安くなったという印象だけが先行して安易な契約をしないようにお気をつけください。